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今月はキモノの格についてご紹介します。
洋服に正装、準礼装、略礼装などの格というものがあるように、キモノにも格があります。和装の正装では、女性は既婚か未婚かによって装うキモノが異なる場合もあります。
デパートの呉服売り場などに行くと、正装用の格の高いキモノ(振袖、留袖、訪問着)はほぼキモノの形になった仮縫い状態で販売されていますが、それ以外の普通のキモノ用は反物(一枚の長い布)の状態で販売されているのがわかります。
この違いはキモノが完成したときに明らかになります。普通のキモノは反物の状態のときに染色し絵付けや柄付けなどをします。ですから、キモノに仕立てたときに絵模様が縫い目で合わなかったり途切れてしまいます。ところが、正装用の格の高いキモノは、染色前の布を裁断しキモノの状態に仮縫いしてから絵付けをしますので絵模様は途切れたりしません。完成後にちゃんと一枚の絵になっているのです。このようなキモノを絵羽模様といって格の高いキモノとされています。女性の正装は絵羽模様であることが原則です。
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最も格式の高い礼装(正礼装)
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| 大振袖 |
未婚女性の第一礼装。袖の長さが足のくるぶしまで有る振袖で、紋は5つ。
今日では、結婚式のお色直しで見られるくらいです。 |
| 留袖 |
既婚女性の第一礼装。黒留袖と色留袖があり、染め抜きの五つ紋付きで模様は格調高い裾模様です。 |
黒留袖は、結婚式に親族の既婚女性が着ているので、みなさんにも馴染みがあるかと思います。昔は結婚するときにお嫁入りの支度として黒留袖を用意したものですが、最近では貸衣装で済ませる方が多いようです。
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略礼装
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| 中振袖 |
未婚女性の一般的な礼装。袖の長さが、ふくらはぎの中ほどまでで、成人式や披露宴の参列などに着られることが多い振袖です。 |
| 訪問着 |
未婚、既婚を問わずに着用されます。振袖や留袖に比べると、略式の礼装となります。絵羽模様で、披露宴、結納、各種パーティーや挨拶回りなど、第一礼装に比べると幅広く着ることができます。無紋でも着用できますが、一つ紋や三つ紋など付ける紋の数が多いほど、格が上とされています。また、白い伊達衿を付ける事により、格が上がります。 |
| 付下げ |
留袖や訪問着のような絵羽模様とは違い、反物の状態で絵付けをするので仕立て上がった際には、模様が全て上向きになります。そのため、略礼装と言われ、訪問着よりも格が下になります。 |
| 色無地 |
黒以外の色に一色に染めた反物から仕立てた着物。一つ紋をつけ、略礼装として着用することができます。くすんで地味な色や地紋(反物自体に織り込まれている紋様)によっては弔事の略礼装としても着用できます。帯や小物を変えることで、幅広く着用する事ができる大変便利なキモノです。 |
私の母も無地の着物に必ず一つ紋をつけていました。母が亡くなった後、それらの着物を染め返ししましたが、紋付が妙に改まったような感じでどうしようかと迷いました。ただし、コーディネートする小物や帯び次第で祝儀 ・不祝儀両方に対応できますので、大変重宝しています。紋もキモノと同系色の糸で縫い紋にすると、紋自体が目立たなくなるので、街着としても着られるそうです。
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カジュアルな着物
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| 小紋 |
反物全体に一連のパターンが繰り返し模様付けされた物です。基本的には街着として普段着の扱いになります。ただし、小紋の中でも武士の裃に用いられていたという「江戸小紋」、特に極々鮫、極々行儀、極々角通しは三役とよばれ、「江戸小紋」の中でも最も格が高いとされています。近くで見ると小さく精緻な文様が見え、遠目に見ると色無地に見えることから、色無地同じ扱いになるそうです。 また、ある程度の間隔をおいて柄が所々に飛んでいることから「飛び柄」と呼ばれる小紋は、同窓会などのちょっとしたパーティーにも着ていくことができます。 |
| 紬 |
繭を真綿状にして紡いだ糸から織られた反物で作られ、織りのキモノともいわれます。結城、大島、牛首のほか、全国には様々な紬が存在します。染めのキモノに比べると格が下になります。最近では紬の付下げや訪問着を見かけるようになりましたが、やはり染めのキモノよりも格下になるので、入学式、卒業式、同窓会、観劇やお食事会などには着られるものの、結婚式などの改まった場所には不向きです。 |
キモノを選ぶときに、「格」を把握して、どのような場面で着る機会が多いのかを考慮して選ぶと、無駄がないように思えます。私の場合、着る機会が多いのは小紋と紬。母が遺してくれたキモノには結城紬や大島紬が多く、街着に重宝しています。その中の泥大島は、作り手の名前がわかっていれば現在なら数百万すると言われ、私のワードローブの中では最高級品だと知り驚きました。柄が大きく派手なのですが、帯を地味目にして、小物で変化をつけて楽しんでいます。キモノは、多少体型が変化しても着ることができるので、これからも愛用していきたいと思います。
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