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今月の特集 タヒボジャパン株式会社 美容顧問 堀井紀壬子

No.36(2006年7月)

ファッション事情・「今年こそ浴衣にチャレンジ!」 

いよいよ夏の到来です。夏といえば花火。ここ数年、花火大会の日には浴衣姿をよく見かけるようになりました。糊をゴワゴワに効かせた洗いあがりの浴衣に着替えて、お祭りに出かけた子供時代を思い出します。少し前までは、浴衣でデートという感じの若い女性ばかりだったのですが、最近は若い男性の浴衣姿も増えてきました。そこで今月は「浴衣」の話題です。

浴衣の歴史は平安時代にまで遡ります。この時代のお風呂は蒸し風呂でしたので、貴族が入浴する際に蒸気が直接肌にあたって火傷をしないように、『湯帷子(ゆかたびら)』という着物を着て入っていたということです。帷子とは麻の単(ひとえ・裏地がついていない着物)のことで、この『湯帷子(ゆかたびら)』が「浴衣」の語源とされています。

江戸時代になると今日のように湯につかる形が一般的になり、江戸後期に風呂屋が普及すると、湯上りの汗をふき取るために今でいうバスローブのように薄い着物が風呂屋で着られるようになりました。やがてこの湯上りに着た木綿の衣類が『浴衣』と呼ばれるようになったのです。そして、次第に着たまま外に出るようになり、下着的な用途から外着へと変わっていったのです。

江戸時代の浴衣の定番は、紺地か白地の藍染でした。紺地の浴衣は昼間、白地の浴衣は夜というふうに、着分けられていました。日中の日差しの中では紺地がすっきり見え、夜の月明かりの下では白地がさわやかに見えます。着ている本人だけではなく、周りの人の目にも『涼しく見える装い』は、昔の人のお洒落心が感じられます。私は、個人的には白地に藍の浴衣が好きなのですが…。

浴衣が庶民の間で広まると、江戸ではひと夏ごとに違う浴衣を着こなすのが粋とされました。ひと夏着たらあとは寝巻き、それから解いて布巾や雑巾、または赤ちゃんのオムツ、そして、最後は細く切ってお掃除のときのはたきに使い、使い切ったら土に返していたそうです。これぞLOHASの原点。もっとも赤ちゃんの布おむつやはたきは今や死語と化してしまいましたが…。皆さんはひと夏着た浴衣をどうされていますか。少なくとも、布巾か雑巾までは再利用していただきたいものです。

それでは、ここで浴衣を着たときの着崩れない歩き方を伝授します。着物のときは内股で歩幅を小さくして歩くというのは皆さんご存知ですか。最近、本で読んだのですが、着物のときは「なんば歩き」をすると着付けが乱れないそうです。 「なんば歩き?」普通歩くときは、踏み出す足と反対の腕を振ってリズムをつけて歩きますよね。しかし、着物の場合は左足のときは左手を、右足を踏み出すときは右手を出して歩くのです。普通に歩くように元気に左右の腕を振って歩くと裾がはだけやすいのだそうです。能を習っている友人から聞いた話ですが、能の舞のときも踏み出す足と同じ側の腕が前に出るとのことでした。これが不自然だったら、歩くときなるべく上半身は動かさずに歩いてみてください。風呂敷包みを持って歩くときの要領です。

それでは最後に浴衣のトレンドについて。最近、若い人の間では色とりどりの浴衣が流行っていますが、今年の流行は白地とのこと。ミニ丈の浴衣も流行るとか。浴衣が若い人たちに受け入れられて、現代風な着こなしで楽しんでいただけるのは嬉しいことです。
今は仕立上がりの浴衣もたくさん売っていますから、今年の夏はぜひ素敵な浴衣姿でイメージチェンジをしてみてください。そして、浴衣で簡単な半幅帯の結び方を覚えたら、秋には思いきって着物にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

No.36 ● 2006年7月 ファッション事情・今年こそ浴衣にチャレンジ!

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