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今月の特集 タヒボジャパン株式会社 美容顧問 堀井紀壬子

No.34(2006年5月)

ファッション事情・トレンド 

長いこと温泉話にお付き合いいただき、ありがとうございました。今月はファッションの話に切り替えます。

ファッションの世界では、「春・夏」と「秋・冬」というように大きく2つのシーズンに分けられます。日本の店頭では、「梅春」という季節もありますが、世界的に「春・夏」と「秋・冬」でファッションのトレンド (傾向) が決まります。最近では消費者が自分の個性を大切にし、自分らしさを表現するようになってきたので、街を見渡しても昔ほど流行に左右されている傾向はありません。しかし、ショー・ウィンドウやお店に並ぶ新しいファッションは、どことなく共通していると思いませんか? 黒が基調だったり、この2〜3年はツイード素材が多く使われたりしていることに皆さんもお気付きかと思います。今年の「春・夏」はモノトーン、特に白が目に付きます。

毎年シーズンごとに新しい商品を販売するためには「シーズンごとの旬のファッション」を作り出さなければなりません。有名デザイナー達は、五大コレクションでその年のファッションを発表しますが、今年のファッションのトレンドは、実は2年近く前からある程度予想がついていたのです。では、その仕組みをご説明しましょう。

2004年6月
2004年6月 インターカラー (国際流行色委員会) の加盟国14カ国が提案色を持ち合い、大体の流行色を選定します。
*日本では社団法人日本流行色協会 (JAFCA-ジャフカ) が代表として、 このインターカラーに参加しています。
2005年3月 フランスでプルミエール・ヴィジョン (素材の展覧会) が開かれ、 世界中から700社以上のファッション素材メーカーが参加し、 ファッションの色や素材の提示があり、翌年の「春・夏」のトレン ドが決まります。
*日本からも20社以上の織物、染物などの製造業者が参加している そうです。
2005年9月〜10月 「春・夏」五大コレクション (ニューヨーク→ロンドン→ミラノ→パリ→東京の順)
*ここで、展示されたデザイナー・コレクションの傾向を見て、アパレル 各社が翌年の「春・夏」のアイテムを作り始めます。
2006月 実シーズン 店頭に商品が並び、消費者の手元へ


上表からもお分かりのように、デパートやブティックのショー・ウィンドウを飾って いる今年の「春・夏」ファッションは、2004年の夏から作業が始まっていたわけです。2004年の夏から秋にかけて、今年の「春・夏」の流行色が絞り込まれ、2005年の2月から3月には素材やパターンの傾向もある程度、決定付けられました。そして、2005年9月から10月にかけて各地で開かれたデザイナー・コレクションでは、デザインの方向性が提示されました。昔と違い今は消費者の考え方も多様になっているので、デザイナーの作品で全てが決まるわけでは無いと思います。ただ、色の傾向と素材に関しては展示会に左右されるので、今年の「春・夏」の流行色が白だとしたら、それは既に2004年の夏から企画されていたのです。

では、今年2006年の「秋・冬」は、どんなファッションになるのでしょうか? 昨年秋のプルミエール・ヴィジョンに参加した方からお話を聞く機会があったので、紹介しましょう。

展示会期間中の人気カラーは、1位 エボナイト (黒檀)、2位 ルビー、3位 カーボン (黒)、4位 エルミン (クリーミーな白) で、昨年の「秋・冬」に比べるとややカラフルですが、全体には重めの色です。

素材面では、依然としてツィードの人気が高いようです。しかし、刺繍やレース、またビーズをあしらった素材も人気があり、可愛いらしさを好む日本人女性にはうれしい傾向でしょう。お出かけ用の服とカジュアルな普段着との境目が、ますますなくなっていくようです。また、自然な感触の素材も注目を浴びているようです。

秋・冬の五大コレクションも終了し、アパレル業界では、今年の「秋・冬」のデザインにどの傾向を取り入れるかの企画も終わった頃だと思います。今ごろは、秋冬物の展示会でデパートやセレクトショップの注文を受けている頃でしょう。昔は展示会での注文がシーズンの70〜80%を占めていたのですが、最近ではお客様の好みを把握するのが難しく、シーズン中の注文が増えているということです。昔ほど人々が流行に左右されず、自分の好きなものを着るという時代になってきたということでしょう。

私の知り合いには、「去年のシャネルは着られない」とか、「このパターンは今年のマックス・マーラーでしょ。」などとこだわる人もいますが、私は流行り廃りのない定番のデザインを選び、ブランドにもさほどこだわりません。会社を辞めたらファッションに気を使わなくても良いと思っていましたが、人前に出る機会が多くなった今では、さすがに5年前のスーツを着ていくわけにもいかず、この考え方は甘かったと反省しています。特にファッション産業の仕事で、業界の方にお目にかかるときは、恥ずかしくないようにそのシーズンのものを取り入れるよう心がけています。

皆様も流行に左右されず、ご自分のファッションをお楽しみください。

No.34 ● 2006年5月 ファッション事情・トレンド

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