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今月の特集 タヒボジャパン株式会社 美容顧問 堀井紀壬子

No.32(2006年3月)<最新>

温泉紀行−山形・肘折温泉 

いよいよ3月ですが、年度末で時間に追われている方も多いでしょう。たまにはリラックスしに温泉に行くのも、いいものです。1月、2月は温泉の知識についてお話しましたが、今月はいよいよ私の好きな温泉のことをお話します

昨年10月に山形県の肘折(ひじおり)温泉に行ってきました。ここは前から行きたいと思っていたのですが、なかなか機会を得られずにいました。友人が夏に行って気に入ったということで、「美味しいキノコを食べに行こう」と誘って、出かけました。山形新幹線の終点である新庄駅からバスに揺られること1時間。月山・羽黒山などの霊場に近い山あいのひなびた温泉ですが、その発見は約1200年前の大同二年(807年)とされています。初めて温泉場として開業したのは、明徳二年(1391年)といわれています。肘折温泉は、古くから続く湯治場として知られています。その名前の由来は、肘を折った老僧がこの地のお湯につかったところ、たちまち治ってしまったことから肘折温泉とつけられたようです。

湯治宿が主体なので、バスを降りると浴衣姿の人が歩いていたり、道路から宿の部屋が見えたりするなど、こじんまりした町並みでした。お昼過ぎに着き、宿へのチェックインまでに時間があったので、まずは外湯へ。

肘折温泉の共同浴場の中で一番大きな浴場が上の湯です。コンクリート造りの建物で、情緒には少し掛けるかもしれませんが、何と浴場にはお地蔵さまが!? 実はこのお地蔵さま、折れた肘を治した老僧に縁(ゆかり)があるそうです。お湯は少し茶色がかった感じもしましたが、ほとんど無色でした。肌に滑らかで実にマイルドな良いお湯でした。

大蔵村役場ホームページ (http://www.vill.ohkura.yamagata.jp/)

ネット上で「肘折温泉 上の湯(かみのゆ)」で検索すると写真などがご覧になれると思いますが、決してファンシーな温泉場ではありません。旅館のお風呂もいいのですが、街中の公共の湯めぐりもなかなか楽しいですよ。なによりも、温泉宿のお湯より、効きそうな気がします。

今回この記事を書くにあたり、泉質を調べてみるとナトリウムー塩化物温泉でした。肌をツルツルにする温泉の条件として、やませみさんの「温泉の科学」には
1. 高アルカリ性であること
2. 重曹分を多く含むこと
3. ナトリウムイオンを多く含み、アルカリ土類イオンが少ないこと
とありますが、肘折温泉はまさにナトリウムを多く含む温泉であるから、美肌の湯としても効果があるのだと改めて感心した次第です。とはいっても、お気に入りの温泉となる要素は単にお湯の成分だけではなく、周囲の環境、食事などの影響も大きいですね。こちらでは、ちょうどキノコの季節で舞茸など山の幸が出ましたが、春の山菜の塩漬けなども上手に調理されていてヘルシーでおいしい食事を楽しむことができました。

夜、川音を枕にゆっくり休み、朝は6時から朝市見物。近所の農家で収穫された野菜や、南蛮味噌という唐辛子入りの味噌、もちろん取れたてのキノコなど、狭い道路にぎっしりと並んでいました。ここから友人に巨大な舞茸を送ったのですが、「また買ってきて」と言われています。

他に私が大好きな温泉は、秋田県の乳頭温泉と西伊豆の大沢温泉です。乳頭温泉はナトリウム炭酸水素塩泉、大沢温泉はカルシウムナトリウム-硫酸塩温泉です。乳頭温泉は炭酸水素塩泉ですからまさに「美人の湯」、大沢温泉もナトリウム系です。好きな温泉には泉質の共通点があるのかなと思いきや、硫黄のきつい草津温泉は、私のお気に入り温泉トップ5に入ります。今まで行った温泉の中で、嫌だと感じた泉質は少ないので、やはり湯治目的以外の温泉選びでは、泉質よりも雰囲気や食事の方が重要なのだと思いました。

せっかくリラックスしたいのに、泉質など難しいことにこだわるよりも、良い仲間や良いパートナーとのんびり過ごして、大いに笑うことが「美人の湯」の最大の条件かもしれません。

今年もいろいろな温泉を楽しむつもりです。時間をつくって、九州などへ遠出をしてみたいと思っています。実現したら、またご報告しますね。


No.32 ● 2006年3月「温泉雑学−泉質と効能」

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